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デジタル辞書全盛時代へ

 

 PDICデジタル辞書のような高速・高機能デジタル辞書が出回るようになると、書籍版の辞書は遠からずして廃れてゆくでしょう。タイプライターがワープロに、ワープロがパソコンに取って代わられたように……。

 以下は、辞書の書籍版とPDICデジタル版の比較表です。

 

 

辞書の書籍版とPDICデジタル版の比較

 

観点

書籍版

PDICデジタル版

携帯性

分厚くてかさばり、携帯に不便。

ノート・パソコン、スマートフォン、タブレット、Kindleなどに入れて携帯できる(Windows, Apple, Android系すべてに対応)。

辞書引きにかかる時間

紙をめくって単語を探すので、時間がかかる。

単語を一瞬にして見つけられ、辞書引きにかかる時間は書籍版とは比較にならないほど少なくて済む。

機能

単語を引くことが中心。熟語も引けるが、時間がかかる。

非常に多くの便利な機能がある。主な機能としては、インクリメンタルサーチ、不規則変化形からの自動辞書引きと規則変化形からの自動辞書引き、変化形第一候補学習、どこでもジャンプ、熟語検索、類義語検索、派生語検索、簡易用例コーパス、接頭辞・接尾辞検索、推測候補検索、高度な複合条件検索、正規表現(ワイルドカード)複合検索、デジタル・テキストからのコピー即時辞書引き(キーボード入力不要)、ブラウザを用いてWEBやPDFやメールなどを見る際の自動辞書引き(キーボード入力・コピー操作不要)、用例部表示・非表示切り替え、省入力先取り検索機能、複数単語連続検索、変化表の呼び出しと変化形の即時確定、発音聴取、画像参照、チェコ・チェコ統合大辞典など各種デジタル辞典・事典との連動検索、WEB自動(リアルタイム)検索、暗記マーク設定と単語帳の作成・印刷、重要語・頻度表示、マーカー、メモ書き込み機能、単語レベル設定。

視認性

一覧性は良いが、文字が小さいので、老眼などになると辞書引きが辛くなる。

文字の大きさ、色、字体などを自由に変えられるので、老眼などになっても辞書引きがそれほど辛くない。また、ワンクリックで用例部を非表示にすることもでき、一覧性を改善できる。

単語の追加・内容の書き換え

余白が僅かしかないので、辞書にない単語を自分で追加したり、辞書の内容を書き換えたりすることは困難。

PDICは辞書作成ソフトを兼ねているので、辞書にない単語を自分で追加したり、辞書の内容を書き換えたりすることが簡単にでき、それをデジタルで半永久的に保存しておくことができる。簡単にメモを書き込むことができ、メモを検索したり印刷したりすることができる。

出版費用

印刷・製本・流通・在庫管理に多額の費用がかかる。

デジタル・ファイルをWEB上にアップするだけなので、費用はほぼゼロ。

改訂・増補・在庫

改訂・増補には非常に時間と費用がかかり、特にマイナーな言語の辞書の場合、一度出版したら、(たとえ誤りや誤植などがあっても)改訂・増補はきわめて難しい。在庫がなくなり、品切や絶版になると、入手困難になる。

デジタル・ファイルを部分的に修正してWEB上にアップするだけなので、いつでも簡単に改訂・増補ができる。最新版の辞書ファイルが常にWEB上にあるので、品切や絶版になることがなく、利用者はいつでもどこでも即座に最新版の辞書を入手できる。

将来的な拡張性

もっと大きな辞書や関連辞書を出す場合、別の辞書として出版しなければならない。

デジタル辞書ファイルを幾らでも大きくしていけるので、連続的で無制限に辞書を拡張していくことができる。しかも、別ファイルとして作成された追加辞書や特殊辞書も、自動的に一つの辞書に統合できる。

流通性

書籍の流通はもっぱら日本国内に限られ、外国で入手することは困難。

WEBから辞書ファイルをダウンロードしてクレジットカードなどで決済を行うため、世界中どこからでも入手できる(世界中の人が購入可能)。

価格

高額の出版費用を回収した上で収益を確保しようとすれば、特に出版部数が少ないマイナーな言語の辞書の場合、高額な価格設定にせざるをえない。

出版費用がほぼゼロの上、世界中が市場なので書籍版よりも多く売れることが見込まれるため、価格を安く設定できる。

買い換え

辞書をなくしたり、傷んだり、増補・改訂版が出たりして、買い換える場合、また全額支払わなければならない。

辞書をなくしたり傷んだりして買い換えることはなく、増補・改訂版が出てヴァージョンアップする場合は割引価格で購入できる(Windows版のみ)。