PDICデジタル・ロシア語辞典(無料公開)は、ロシア語の変化形→原形変換システムを搭載しており、変化形からも辞書引きができます(ただし出没母音の一部などに未対応のパターンがあります)。また、約1,700語形を登録した不規則変化辞書も備えています。更に、PDICのWEB検索機能を利用すると、露和・和露辞典、変化表、発音などが簡単に利用できます。これらを使って、ロシア語のデジタル・テキストを読みながら、露露辞典と露和辞典の両方で同時に(単語入力不要の)自動辞書引きをしたり、変化表で単語の変化を調べたり、単語の発音を聞いたり、露露辞典の中の単語を露和辞典で調べたりすることが簡単にできます。Windows版では、PDICの「ロシア語変化形→原形変換システム」と「WEBサーチ」を組み合わせることで、WEB上で無料公開されている『プログレッシブ ロシア語辞典』を変化形から簡単に自動検索できます。
Windows のほか、PDICの互換アプリを使用すれば、Macパソコン、タブレットとスマートフォン(iOS, Android 共)で使用できます。
また、PDICデジタル・ロシア語辞典とLogoVista研究社露和・和露辞典との連携検索によって、ロシア語のデジタル・テキストを読みながら、ロシア語の変化形から研究社露和辞典が引けます。ラテン文字で研究社露和辞典を引くこともできます。研究社露和辞典との連携検索については、こちらをご覧ください。
このPDICロシア語辞典の特長の一つは、キリル文字でもラテン文字でもどちらでも辞書が引けるということで(キリル文字・ラテン文字両用引きシステム)、キリル文字のキーボードを覚えていない人でも通常のラテン文字のキーボードで辞書引きができます。また、このシステムを使えば、すべてのスラヴ諸語をラテン文字で一元的に扱えるようになり、ラテン文字使用言語とキリル文字使用言語はもちろんのこと、ウクライナ語・セルビア語など、キリル文字でもロシア語とは異なる文字を使っているスラヴ諸語でもラテン文字で一元的に扱えるようになり、言語毎に一々キーボードを切り替える必要がなくなる、という利点もあります。特にスマートフォン・タブレットで使う場合は、キーボード切り替え不要というのは便利です。
このロシア語辞書では、タッチパネルを使った端末であれば、ソフト連携で手書き入力も可能です。マイクの付いた端末であれば、音声入力(引きたい単語を読んで入力する)も可能です。
試作したのは、一つは有名な「ダーリの辞書」(Владимир Даль, Толковый словарь живого великорусского языка)で、もう一つはやはり有名な「オジェゴフの辞書」(Сергей Иванович Ожегов, Наталия Юльевна Шведова, Толковый словарь русского языка)です。両方とも、Электронная библиотека RoyalLib.com(https://royallib.com/)においてOCR認識済みのものが無料提供されているのを利用させていただきました。また、ブスラーエフ『古ロシア語辞典』(Буслаев, Ф. И., Словарь древне- и старорусского языка)(RoyalLib.com提供)とダーリ『ロシア民衆の諺』(Владимир Даль, Пословицы русского народа, 1862.)(Google提供)もPDICデジタル辞典化しました。
このほか、新たに約1,700語形を登録した不規則変化辞書を作成し、約5万2千語の頻度辞典(О. Н. Ляшевская, С. А. Шаров, Частотный словарь современного русского языка (на материалах Национального корпуса русского языка). М.: Азбуковник, 2009.)(http://dict.ruslang.ru/freq.php?で公開されているもの)もPDICデジタル辞典化して加えました。
更に、Joe's HomePage!(http://www.246.ne.jp/~joe/Dic/dic.html)で公開されている露和単語集を利用させていただきました(正確さについては未確認です。間違っていることがあります)。
キリル文字でもラテン文字でも、どちらでも辞書引きができます(キリル文字・ラテン文字両用引きシステム)。
露露辞典の中の単語を露和辞典で調べることができます。
(画像をクリックすると拡大します)
初心者には難しいPDIC露露辞典の記述にある単語も、Web検索ウインドウを用いることによって、外部の露和辞典でも(単語入力不要で)瞬時に自動検索できます。
ロシア語のデジタル・テキストを読みながらPDICでポップアップ検索ができます。アイトラッカーを併用すれば、目で見ている単語の自動辞書引きも可能です(視線辞書引き)。
デジタル・テキストを読みながら、PDICで変化形からでもポップアップ検索を行い、同時に外部のWEB辞書で自動辞書引きをすることができます(外部辞書同時自動検索)。引きたい単語の上でワンクリック(ワンタッチ)するだけで、単語の入力は不要なので、高速に辞書引きができます。
多数のロシア語辞典を集めた巨大な露露統合大辞典で辞書引きを行いながら、その中の単語(変化形でも)をPDICでワンクリックのポップアップ検索を行うと同時に、外部のWEB辞書の露和辞典などでもリアルタイム検索の自動辞書引きができます。初心者でも巨大な露露統合大辞典を利用しやすくなります。
どんなフォーマットのデジタル・テキストでも、ポップアップ検索ウインドウを使えば、テキストをコピー&ペーストするだけで、自動辞書引きができるようになります。同時にWeb検索ウインドウを出しておけば、辞書引きと同時にWebリアルタイム検索で、瞬時に露和辞典で意味を調べたり、変化表を出したりできます。テキストを読みながら、引きたい単語をワンクリックするだけ(単語入力不要)、変化形からでも引けます。
PDICデジタル・ロシア語辞典とLogoVista研究社露和・和露辞典との連携検索によって、ロシア語のデジタル・テキストを読みながら、ロシア語の変化形から研究社露和辞典も引くことができます。ラテン文字で研究社露和辞典を引くこともできます。
下の例では、ロシア語デジタル・テキスト中の「приключившейся」をPDICデジタル・ロシア語辞典でポップアップ検索してからすぐに、研究社露和辞典で連携検索しています。
研究社露和辞典との連携検索については、こちらをご覧ください。
ダーリ『ロシア民衆の諺』のPDICデジタル辞典
諺の最初の一語を見出し語にしてありますが、全文検索を利用すれば、どこにある単語でも検索できます。
旧字体は新字体に替え、語末の硬音記号は削除してあります。
約5万2千語の頻度辞典が入っていて、記号(*)と頻度順位の数字で頻度を示しています。WORD欄に「*」を入れるだけで、単語を頻度順に並べ変えた頻度辞典を出すことができます。
Google翻訳と連携した手書き入力の例:
1単語全体を連続してさっと書けるし、字がきれいでなくても大丈夫。
驚くほど高い精度と速度の手書き認識ツールです。
タッチパネルがあれば可能です。
以下から「ロシア語デジタル辞典」の圧縮ファイルをダウンロードし、解凍して使用してください。解凍には Alzipなどの(無料)解凍ソフトが必要になる場合があります。
使用方法については、同封されている「PDICロシア語辞典の使い方」(manual-rus.pdf)をご覧ください。
・「ロシア語デジタル辞典」(ダーリの辞書、オジェゴフの辞書、ブスラーエフ『古ロシア語辞典』、露和単語集、ロシア語不規則変化辞書、ダーリ「ロシア民衆の諺」、頻度辞典)の圧縮ファイル(Ver.2.02)(利用可。 2019.11.16更新。 PDICのWEB検索機能を利用して、ロシア語のデジタル・テキストを読みながら、語彙数の多い露和辞典で(変化形からでも)自動辞書引きができるようになりました。約5万2千語の頻度辞典を加えました。巨大な露露統合大辞典での利用法を追加しました。)
多少のOCR誤認識と不具合がありますが、修正には手作業が必要となるため、未修正です。
ダーリ「ロシア民衆の諺」にはラテン文字見出しは付けてありません。諺の最初の一語を見出し語にしてありますが、全文検索を利用すれば、どこにある単語でも検索できます。
◎「ロシア語デジタル辞典」(圧縮ファイル。ダウンロードしたら、まず解凍(展開)してください。)
⇒ Download(Dropbox)
⇒ Download (Google Drive)
なお、今回キリル文字・ラテン文字両用引きシステムの構築に当たって使用したのは、この文字対応表(https://en.wikipedia.org/wiki/Romanization_of_Russian)のうちの「Passport(2010)」です(どれも一長一短で、どれを採用すべきかは検討の余地があります)。以下に、今回採用した対応表を示します。